体のメッセージを聞く

本当にお手上げ?

薬物療法を憂慮する

 

1)病名に基づく投薬

病名は表面に現れた症状に対してつけられているので、そうなるに至った経緯を表すものではないことを知ることは重要です。原因、体質、体力、性別等々、様々である患者に対して、一様の薬物療法が行われている現状に疑問がもたれることは自然ではないでしょうか。糖尿病とされたある40歳の日本人女性、60歳の体格の良い日本人男性、80歳のアメリカ人男性が同じ薬物治療を受けていても不思議ではないのが現実です。しかもそれは対原因療法ではありません。高血糖状態にある患者の血糖値を低下させること(データの正常化)と、高血糖状態になってしまった原因を正すこととは別のことです。薬物は表在化した症状(高血糖あるいは合併症状)の解消を目的に処方されるので、原因は残されたままの表面的正常化であるのに、治ったような誤解をしてしまいます。確かに高血糖状態を放っておくことは危険なので一旦血糖を落ち着かせることは大切です。ただ、その間に原因を正す努力をすれば良いのですが、漫然と薬が投与され続ける傾向にあるように思います。これでは薬と縁が切れません。

 

2)薬に頼る傾向

単純に「薬を飲めば治る」と考えてはいけません。薬は辛い症状をとる効果は大きいのですが、根本的な治療をしていません。治った時は、薬がある程度補助した可能性はありますが、薬が治したのというより自分の治癒力で治ったのです。逆に治癒力がなくては薬を飲んでも治りません。このことは当たり前のようですが重要です。薬の利用は、場合によっては間違いではありませんが、薬に頼りきること、薬が自分の治癒力より優れていると考えることは間違っています。服薬と同時に自力で治そうとする努力を忘れないようにすべきです。だらだらと使用していると逆に薬の副作用に負けてしまいます。

 

3)薬漬け

単に症状を消すために薬物療法が行われている限り、原因は残されたままですので長期投与に至ります。原因を長く放置するほど難治化するばかりか、薬が蓄積し、副作用ばかりが目立ちはじめます。血糖降下を目的に使用していても、薬は体の他の部位にも必ずなんらかの作用をし、非常に巧妙かつ脆いホメオスタシス(体の恒常性を維持する仕組み)を撹乱してしまいます。高血糖という状態(血糖値)は糖尿病患者に一致しているでしょうが、血糖値以外のこと(体調など)については個々に異なりますので、副作用は実に様々な表れ方をします。副作用で胃が悪くなると、例えば胃炎というように新たに病名が付けられ、胃薬が追加処方されます。その胃薬もそのうち期待されていなかった悪さをし、その症状を是正するためにまた別の薬が追加される。

また、病名がたくさんついて薬が増えることもあります。高血圧、高血糖、高脂血症もあり、最近食欲がなく、寝つきが悪い。これで5種類処方され得るわけですが、本当にこれら各々に対して薬物治療が必要なのかと疑問に思うことがあります。

こういった具合に薬が増え、薬袋を3つも4つも抱えた患者さんを見かけますが、これだけ多くの切れ味の鋭い化学物質が勝手に体に作用したら、体の方もバランスをとることが困難となり、ホメオスタシスが崩壊しかねません。病名がついたから投薬したと言っても、体はそのような事情を知りません。臓器、組織は血液を介してつながっており、目的の1箇所だけに作用するということは厳密にはなく、かえって体を撹乱させてしまうことが懸念されます。

ホメオスタシスが崩れれば亡くなることもあります。体は外からやってくる薬(非常に鋭い作用をもつ)になすすべがありません。薬漬けは想像以上に怖いと思います。

 

もちろんあらゆる薬物療法に問題があるとは思いません。しかし、診断方法が確立され、規則的に病名が付けられるようになるに従い、薬の処方量が増加してしまう傾向が出てきているように思います。

 

対して東洋医学では、症状毎に処方するわけではありません。問診を中心とした観察によりこれらの症状を発症させた原因を明らかにし、患者自身でその原因を是正させるために必要な漢方薬を処方します。症状が複数ある場合であっても、共通の原因から発症していることがよくあり、1つの処方で複数の疾患が治ることもしばしばです(病の原因を正しく把握できれば、消化器虚弱と便秘と生理不順があっても、血行を促進させ、体を温める効果のある1つの方剤で治るものなのです)。このような方法もあるのです。

 

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