体の仕組み @食べるということ

 

体の仕組み A吸収・排泄

便秘で悩んでいる方、便になるものを食べていますか?

 

私たちの体は、入ってきた雑多な食物から必要なものを選んで吸収しています。脂溶性の物質は細胞膜を通過して吸収されますが、小腸には単糖、アミノ酸、ジペプチド、葉酸、水溶性ビタミン等を各々専門に吸収する機構(トランスポーター)があり、水溶性物質はこの仕組みで吸収されます。この吸収機構は巧妙で、雑多に食べていても必要なものを見逃さずにちゃんと吸収しています。ビタミン剤やアミノ酸飲料などが流行っていますが、栄養素をピュアーな形態で摂取し続けると逆に溜め込むことが懸念されます。

ところで、この巧妙な吸収能力も、使わなければ退化します。私たちは生のエネルギーをもつものから精(食物がもつ生のエネルギー)を取り込み、気(生きるエネルギー)を作りますので、食物から栄養素と精の両方を吸収する必要があります。生のエネルギーを持つものとは、精製・加工されていない野菜、肉、魚、穀物です。これらから栄養と精をしっかり吸収できる能力を維持しなければ、私たちは衰えていくしかありません。衰えてから栄養補給をして元気を取り戻そうと一生懸命食べても、もう吸収能力が落ちている。栄養素は栄養剤から得るこができたとしても、精は栄養剤として製品化されていません。私たちは生を宿していないものから気(生きるエネルギー)を作ることはできません。精をとるためにも、食物は精製せず、ありのままを食べましょう。

 

排泄も吸収に劣らず重要です。基本的に10取り込んだら10出さないといけない。基本的に現代人は溜め込む傾向があるので、健康志向と言って栄養をとろうとするより、いらないものを出したほうが体調はよくなるかもしれません。

排泄というと、尿、便を考えますが、体にとっては分泌も排泄と似た活動です。分泌には、例えば血糖上昇に反応してインスリンが分泌され、糖分を細胞に取り込ませ、血糖を正常レベルに維持したり、胃に入ってきた食物刺激でガストリンが分泌され、消化酵素の分泌を促すなどのホルモン分泌、あるいは汗、涙、唾液の分泌もあります。ここに書いた例はわずかですが、これらは血糖、消化、免疫系にあずかっており、体の運営に大変重要であることがわかると思います。また、どちらも副交感神経系の仕事ですので、自律神経系が乱れれば、排泄・分泌活動は総合的に乱れるでしょう。便秘のみということはなく、自覚されない排泄・分泌の抑制を併発していると考えられます。交感神経優勢な状態に固定されないように、できるできるだけストレスをさけ、ゆったりした気持ちですごすことが大切です。

 

主要な排泄手段として、尿・便はもちろん、汗も重要です。最近汗をかかなくなりましたが、昔は労働して汗から老廃物とともに塩分も消費しました。現代人は排泄経路を1つ失い、消費量も減ったため、昔と同量の塩分をとると過剰気味になってしまう。

大まかにいえば、水溶性物質は尿とともに排泄され、残りは便ということになります。便を不消化物と考えれば、それ自体が排泄物であるにすぎませんが、便は排泄の媒体としても重要な役割を持っているように思えます。例えば、便の色はもともとビリルビンに由来していますので、ビリルビンの対外排泄に便は役に立っていると考えられます。あるいは、大腸菌の死骸も含まれているとも言われています。それ以外にも便を介して排泄される生体内物質があると容易に想像されますので、便秘は不消化物が溜まること以上の意味を持っているようです。

 

便秘の理由は様々ですが、もしかしたら便になるものを食べていない可能性もあります。精製・加工品はピュアーなので、ほぼ100%吸収されてしまいます。これでは便秘します。ある程度の量の便を生成しなければ出るはずはありません。こう考えると、食事は吸収するためだけではなく、排泄にも重要ということでしょうか。

便は必ずしも有害物質というわけではないのですが、滞ると有害になることが多い。例えば、蛋白質(食物及び生体由来)などを大腸菌が分解するとアンモニアが発生し、体内に吸収されてしまします。アンモニア(有害)は肝臓で尿素に無毒化されるので、平常なら気にとめませんが、肝機能がひどく低下した場合、肝臓での処理が追いつかず、肝性脳症(血中アンモニア濃度が上昇し、脳に移行する)になることを考えれば侮れません。それだけ肝臓に負荷をかけています。このように、大腸でも吸収がおこりますので、出すべきものをまた体内に戻してしまうことにつながります。特に大腸菌の作用は多様であり、ことは複雑です。

糖尿病薬で、小腸粘膜微絨毛の二糖類の分解酵素を阻害し、糖の吸収を抑制する薬がありますが、本来大腸に到達すべきでない糖類が大量にやってくるということは、良くないことのように思います。実際、大腸の病変の危険性があるようです。

ところで、出る過程が滞れば消化器が飽和しますので食欲が減る仕組みなのですが、ストレス社会ではそれが成り立たないようです。しかし、自分が摂取>消費という状態なら、食事量を減らしてみると1〜2週間くらいで面白いように便が出ることがあります。便は不消化物のみならず、老廃物の排泄手段として重要です。水溶性物質以外の排泄物は便として体外に出るしかありません便秘は毒素の溜め込みです。

(写真のゲンノショウコは健胃整腸作用があり、下痢・便秘に効果があるといわれています。)

 

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