ステロイド剤

 

適応症

各種炎症、アレルギー、自己免疫疾患、ネフローゼ等

 

この薬は副作用も多く、比較的怖いと言われながらも、とにかくよく効く(他に手段がない難しい状態でもよく効く)のでかなり汎用されています。しかし、この薬は原因療法ではなく、体の活動を低下させることで不快な症状を鎮圧しているようなものです。また、本剤には蓄積性があり(投与した薬の全てが対外に排泄されるわけではなく、多少は体内に溜まってしまうこと。ステロイドは蓄積性が高い。)、基本的にコレステロールと同じものです。使用初期では肝臓で水に溶けやすい形に変えられて尿中に排泄されますが、長期使用あるいは大量投与で排泄が間に合わなくなると体内に蓄積していきます。コレステロールは体内で放置されれば酸化されて変性コレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)となりますので、高脂血症→動脈硬化と同じ状況になります。粥状動脈硬化の進行と同様、変性コレステロールの除去のために好中球、マクロファージ(炎症性免疫細胞)が動因されます。顆粒球は活性酸素を放出して異物を破戒するはたらきをもつのですが、このような場合には、この活性酸素が組織を破戒してしまします。

また、本剤の長期使用者の多くは冷え症に悩んでいます。血行不良は全身組織の栄養不足、老廃物蓄積を引き起こし、全身性に多臓器障害をもたらします(あらゆる疾患に発展する危険性がある)。

 

代表的な副作用

本剤には、体のたんぱく質をアミノ酸に分解し、肝臓で糖に作り変える作用があるため、血糖を上昇させます。糖尿病を誘発することもあります。血中に放出された糖は脂肪化し、特に体幹部に脂肪が蓄積(四肢はたんぱく質分解作用が強いため逆に細くなる)します。このたんぱく質の分解作用により胃潰瘍等、消化管への悪影響が出易くなります。

骨からCaを放出する作用があるため、長期使用では骨粗鬆症になることがあります。高齢者や、成長期の子供には特に注意が必要です。

免疫抑制作用により、感染症にかかりやすくなります(普段なら感染しない感染力の弱い菌にも犯されるようになるため、しばしば(予防的にも)抗菌剤を併用するが、耐性菌の問題を増やすばかりです)。

 

本剤投与の結末

代表的な適応患者は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、自己免疫疾患等。どれも根本治癒は困難で、長期に渡ってステロイドを必要とする疾患ばかりです。しかし、本当にステロイドが有効なのでしょうか?これら疾患は不治の病なのでしょうか?

これらの疾患は、ストレス等で交感神経緊張状態が長く続いた後の副交感神経反動症状で、毒素排泄症状(喘息、発疹、下痢)がでたものと考えられます。つまり治癒に向かうための反応です(排泄は分泌の一種です。主に副交感神経が司ります)。これらの症状は体の自然治癒力による治癒反応ですので、辛い症状ですが、これを経ずして治癒は望めません。逆に、ストレスを避け、体の治癒反応を精一杯発揮させれば治ります。ステロイドはこれらの治癒反応を鎮圧しているだけで、何の治療もしていません。逆に体内に蓄積したステロイドは前述のとおり、酸化コレステロールとなり、顆粒球(免疫細胞)を活性化します。活性化顆粒球は活性酸素を放出して組織を傷つけてしまいます。組織修復には栄養が必要ですが、ステロイドの影響で血流は低下しており、栄養不足になっています。こうして組織がどんどん劣化・疲労する悪循環に陥ります。更に、ステロイドには体のたん白を分解したり、骨からCaを放出する作用がありましたので、筋骨ともに弱くなってしまします。情緒的にも悪い影響をもっており、心身共に辛い状況になります。その上感染症にかかりやすくなったりと、大変厳しい結果になる可能性が高いと考えられます。

本剤投与となる疾患の多くはストレス性あるいは自然から乖離しすぎた現代風生活に起因する傾向がありますので、ステロイドに頼らず、原因を根本から取り除く努力が有効だと思います。

 

原因除去の具体策例

ストレスを溜めないよう努める。運動不足解消。生活リズムにメリハリをつける。乾布摩擦。アレルゲンを避ける(ホコリがたたないように清潔にする等)。化学物質暴露を避ける。

現代人はホルモンバランスが乱れることで病になるケースが多いようなので、特にストレス管理、生活リズムを規則的にすることが重要です。

 

副腎皮質ホルモンとは

副腎皮質ホルモンは私たちの体にある物質で、副腎皮質から放出されます。作用は多様で、少量の場合と多量の場合で逆の作用を示したり、部位によって作用の強さが違ったり、日内リズム(就寝開始時が低値で覚醒前に高値となる)があるなど、なぞめいたホルモンです。覚醒時やストレス負荷で分泌が増加するようで、抗ストレスホルモンとも呼ばれています。

ステロイド剤はこのホルモンに手を加えて(経口投与でも効果を得られるようにしたり、多様な作用のうち抗免疫作用を特に強くさせることを目的に手を加えます)薬にしたものです。不思議ですが、体内で極端な反応が起こった状態で使用すると割りと何にでも著効を示します。ステロイドの化学構造からこの理由を考えると、活性酸素等、化学的に活性(いろいろなものと反応してしまう状態)な物質が発生して体を痛めつけている時に、体の代わりにステロイドがこれら活性な物質の反応相手になっていることで一時的に体が救われるということではないかと思います(ステロイドが細胞の盾となってくれている)。しかしながら、ステロイドが反応を仕掛けられた後の姿はいわゆる酸化コレステロール(悪玉コレステロール)ですから、手放しでは喜べないのです。

 

 

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